剣道3段から4段に昇段しました、川名慶彦です。

 

3段と4段の間にある分厚い壁

 

「よし、4段に合格しよう!」

最初は、そう意気込んで稽古をしていた。

 

しかし、いろんな年代の先生方と竹刀を交えているうちにそれは消えていった。

 

「これは合格しないと、稽古をつけていただいた先生方に申し訳ないな……」

そう思うようになる自分がいた。

 

はっきり言って、剣道が強かろうが、大会で勝とうが、段を持っていようが直接的な利益はない。

(むしろ、昇段時に受審料とは別に登録料を支払うことになる)

 

頻繁に戦があった武士の時代ではない今の御時世、剣道だけで生きる人は極稀である。

 

それでも剣に見立てた竹刀を握っている人たちは、剣道という道を歩むことの奥深さを知っているからだと思われる。

 

僕もそこに魅力を感じたので、剣道を継続できる求道者でありたい。

 

3段までは多くの人が合格できるが、4段からは上座になる『指導者』のクラスに上がるため、まずはその分厚い壁を壊せるか否か。

 

 

昇段する前にやること

 

どんな相手と勝負するかわからないため、運も左右する昇段審査。

 

体調のコンディションも最高潮に達することも必要になる。

 

審査当日は5時半に起床し、湯船に浸かりながらイメージトレーニングすることから始まった。

 

いつものルーティンをこなした後、東京武道館で開場の9時に少しずらして入り、共に受審できている剣友とウォーミングアップ。

 

あとは、審査の時間を待って、冷静に全力を尽くすのみ。

 

まず、『立会』と呼ばれる1分ほどの試合形式で見知らぬ2人と剣を交える。

 

それを観て審査する剣道8段の審査員の6人中4人が合格のマルを付けた受審者だけ、通過できる。

 

立会という実技審査が、剣道の昇段審査の難しさの9割を占めるため、通過できればほぼ昇段確定になる。

※前回の4段の合格率は22%

 

次の木刀での『日本剣道形』は、繰り返し稽古して本番で間違えなければ十中八九、通過できるが剣道具を身に着けての実技審査は一本となる『有効打突』をきっちり決めなければならない。

 

指導していただいた先生が撮影していた僕の立会動画を観ると、1人目は1本しか有効打突が決まっていなかった。

 

しかし、2人目で3本ほど有効打突が決まり、相手が打ってくる機会を逃さずに打ち返す『応じ技』という高度な技も出せていたため、実技審査が合格になったと思う。

 

※昇段審査は他人に勝つか敗けるかではなく、どれだけ綺麗に気剣体の一致ができているかなど剣道の熟練度を見られる

 

そして、実技審査を通過した受審者同士で『日本剣道形』を何度か稽古して、本番はミスせずに無事通過した。

 

あらかじめ出題事項がわかっている筆記審査では、日本剣道形の審査前にレポートを提出する流れなので3~5枚でまとまっていればまず通過する。笑

 

こうして丸一日かけた昇段審査に無事、合格できたので受審した剣友と先生たちで祝勝会で閉められた。

 

4年後には剣道5段が受審可能になるので、「急々だらりだらり急」で長く稽古していきたい。

 

 

 

己のためより応援者のために

 

「自分が合格する」と意気込んでいたが、「応援してくれている先生たちへの感謝のために合格する」という心境になっていた。

 

昨年の12月に近所の剣友会に所属して、定期的に稽古してきたここ約4ヶ月。

 

学生時代から約10年ほどブランクがあったため、急激な「剣道に適した体づくり」に苦労した。

 

自分を追い込むために50万円ほど、竹刀や道着などの剣道具一式リニューアルするために自己投資。

 

それと同時に、7段の先生たちに基礎から応用まで学びがいのある稽古をさせていただいた。

 

寒い日も雨の日も風の日も、無邪気な小学生剣士たちが稽古に来ていることを思えば、50分ほど歩いて行くことは容易いもの。

 

 

KENDOという日本文化

 

現在、アジアはもちろん、ヨーロッパなど海外でも剣道は盛んにおこなわれている。

 

その中でも韓国は世界的にトップクラスで強い。

 

僕もいつか外国でも剣道をとおして、外国人選手と交流したい。

 

「アートは国境を超える」ことは実感しているが、きっと「剣道も国境を超える」ことだろうと思うから。

 

また、4段からは指導者クラスになるため学生からはもちろん、先生たちからも「カワナ先生」と呼ばれる。

 

特に、小学生の見本となるような、恥じない剣道をやって楽しみたい。

 

 

まとめ

 

最速で4段に昇段できて、剣道に深く感謝し、剣道という武道そのものに恩返しができた気がする。

 

『剣道』という心身が同時に鍛錬できる武道をやれていることに感謝したい。

 

剣から学ぶ道を行くことで、多くの徳目を得ることができる。

 

そして、それを仕事やいろんなことに、人生に活かせる技術でもある。

 

剣道即人生。

 

昔の剣豪たちの智恵からも学び活かしていきたい。

 

写真:合格した剣道仲間と東京武道館の前で

 

 

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