「広く浅い影響」か、または「狭く深い影響」か、影響力が強い存在は二分される。
「この人の空気には特別な違和感がある」
そう感じる人が周りにいると変な感じになる。
それは今の自分のステージとのギャップがあるから。
そしてそんな人はそうそういないので出会った時点でラッキーとなる。
なぜなら、クセのある人こそ少数派でおもしろい人生を生きる個性的な『武器』を持っているから。
「いかに人に嫌われるほどの影響力の出し入れをコントロールできるか」
多くの人は「嫌われたくない」という恐怖があるから、突出できない。
よって、平均化される。
誰かと差別化できない。
他に迎合する。
だったら、どうするべきかというと、「嫌われてなんぼ」という思考から生まれる「迎合しない生き方」の実践である。
ビジネス書『嫌われる勇気』がベストセラーになったのは、みんな潜在意識でそれらを理解しているものの実践できる人が少ないから。
本心で生きるための嫌われる勇気がなく、誰からも好かれようとする人は結局、誰かの人生に深く関わることなく終わる。
どこにでもいる普通の人になる。
ただのいい人になる。
いつか忘れ去られる人になる。
そうなるのは結局のところ、「相手の顔色をうかがって動く」ことに自分のエネルギーを使っているからである。
何かを成し遂げる人の多くは思考も行動も度が過ぎていることはもちろん、「人に嫌われようがお構いなし」という確固たる自分軸が立っている。
それは、一般人の思考の真逆をいくことで、影響力のある少数派の仲間入りを意味する。
心から『嫌われる勇気』を持つことで、他に迎合することなく真の自分を解放できる。
すると、言動すべてに『芯』ができる。
あくまで他を想っての超越的言動で示すのは当然だが、芯がある人は竹を割ったように人生をストレートに生きている。
だからマンガのキャラクターのように存在が目立ち、何気ない言動からも「おもしろく深い何か」がかもし出されているのかもしれない。
嫌われる勇気を超えた『嫌われる覚悟』という強烈なスパイスがある存在になっていくと影響力が増す。
結果、影響力のある存在には「来る者は拒まず、去る者追わず」という他に迎合しない心になっていき、周囲の人や物は精査されていくわけである。
20才から出会ってきた成幸者の共通点を突き詰めると『スパイスの効いた影響力』だった。
●今回の『知覚動考』
生きている営みのほとんど全てが、賭けの連続である。
by 安部譲二(作家)