毎回、メルマガは日課の散歩の後に即キーボードを打って保存している。
最近は書き始めると半自動書記状態で自分の意志で書いている実感はない。
が、はっきり言ってこのメルマガを発行したところで1円も利益は出ない。
なぜこんなことを5年以上も続けているのか?
それは人は影響力を受けることで、「誰でも変わりたい自分へと変われる」ということ体感してしまったから。
もうだいぶ前の話だが、「50近いオジサンが、23才の若造のメールで人生が変わる」という現象が起こった。
「先生との出会いで人生が一転しました」
まだ顔を合わせて会ったことがないその男性からそんな不思議なメールが届き、電話越しでいろいろと話を聞いた。
精神病・離婚・引きこもり・職なし、そんな現状から精神も仕事も復帰できたというストーリーを、23才のガキに楽しく丁寧に語ってくれた。
その頃の僕は、ブラック企業を脱サラしたばかりでメラメラと燃える夢追い人。
「グダグダ悩んで前進できないやつは俺に話しかけんな! 退化でもしてろ!」
そんな風にマイナスを突っぱねる若造だった。
当然、自分が望む成果を出していないので他人にかまっている暇はなかった。
だから、愚痴・不平・不満はもちろん悩みの負のオーラを持っている人を意識して避けていた。
しかし、スプレーアートを始めて数ヶ月後からこれまで避けていた人種がどんどん集まってくるようになったのだ。
うつ病、肉体労働でボロボロ、ノイローゼ、自殺願望者など、「くるな!」と言いたい人が自称アーティストの僕にコンタクトしてくるようになっていた。
「そのマイナスをプラスに転換できる人間だから彼らの方から来るんだよ」
そうそのクソガキに言ってやりたいが、当時はなぜ「人生を変えたい負の人」が集まってくるのか不思議でしょうがなかった。
「あなたの絵に感動させられました」
「制作している過程で泣けてきました」
「その情熱から生きるエネルギーをもらってます」
そんな感想を言ってくる人とそれを制作している自分に変な『温度差』を感じていた。
「他人の人生が変わるほどの影響力を持った成幸者になる」
そう漠然と決めた19才の僕は、23才から『スプレーアート』を魔法のホウキとして負の念という名のゴミを払うようになっていた。
そのゴミを吹き飛ばし、人生に光が射すならば、絵でも陶器でも会話でも文章でも手段になればなんでもいい。
また、テレビや本、新聞・雑誌などのメディアを活用することでその魔法のホウキは大きく強く育った。
あの頃の若造が現在では、10代から60代まで年齢関係なく、魔法のホウキで放氣して難なくゴミを払えている。
23才の時も現在も、どんなキッカケであれ僕の絵や本やサイトなどに出会ったとしてもどう思われようが気にもとめない。
好かれようが、嫌われようがそんなことどっちでもいいし、どうでもいい。
他人に迎合することを前提にそれらを創造していたら、真の影響力は届かない。
結果、人生なんて変わりようがないことを理解しているから。
「なぜ1円も利益ないメルマガを発行している?」
それは、『ハリーポッター』みたいな魔法使いのホウキが現実世界にちゃんとあって、それによって他人の人生がプラスに向かうことに無常の喜びを感じる人間だからだ。
誰かの人生が、いつか、好転するその『着火剤』になることを願って。
成幸者たちから受けた恩をこうしてまだ出会わぬ他人に恩返しさせて頂いている。
●今回の『知覚動考』
人生に無駄なことは一つもない。
が、どうせやるなら効率良く世のため人のためになりながらやって生きるべきなんだ。