こんにちは、川名慶彦です。
久しぶりにおもしろい勉強をさせていただきました。
真似されることがOKかNGか
多くのアーティストの作品の販路を創る、アートギャラリーの方々とこういう話になった。
「絵画技法を真似されたらアーティストはダメになる」
しかし、僕の芸術起業論からいうと「全然、真似されてOK」と回答した。
いや、むしろ教材やDVDやレッスンを通して、『スプレーアート』という絵画技法を広めていること自体、「真似してくれ」と言っているようなもの。
その理由は本に書いた「先駆者のメリット・デメリット」の通り。
確かに、その絵画技法が広まっていない時点では、本人よりも真似して露出し始める人が出現してくると厳しくなることは間違いない。
ライバルが増え、活動のモチベーションを保つことも難しくなる人もいると思う。
時代を先読みする能力
「その絵画技法を始めたアーティストよりも、それを真似したアーティストがメディア出演して先を越されてダメになった……」
そう話すギャラリストのアーティスト話の真の原因は、「真似されることを予測していないかった」から。
書道パフォーマンスにしろ、華道パフォーマンスにしろ、「これはやってみたい!」と思えるほどの魅力があるならば、真似されて当然である。
そして、現在では有名無名関係なく、誰でも公開できるWEBの世界。
インターネットで作品を露出することは容易にできる。
だからこそ、どんな分野の先駆者でも、『先見の明』がないと潰される。
せっかく素晴らしい腕前を披露していても、「次の次の一手」を読んで行動しないと、特に認知度の低い絵画技法の先駆者の人生は路頭に迷うことになるわけだ。
三手先、十手先、時代を先読みする能力を常日頃から磨いているか否か。
しかしながら、そういうアーティストの現象自体、貴重な経験であると思う。
そもそも、アーティストというギャンブル的な職業を選んでいる以上、予想外な展開があるからおもしろい人生になるのだから。
それを次の作品に活かせばいいし、真似されて腐っているネガティブな思考を持ち続ける方が、圧倒的に人生を下降させてしまう。
「では、どうすればいいのか?」というプラスの思考に素早く切り替えることができるかがキーとなる。
まとめ
「多くの無名アーティストに足りないスキルは、ビジネススキルである」
そう断言している僕の思想を、芸大生やギャラリスト、99%売れないアーティストには理解し難いと思う。
それは、「真反対の能力をあえて磨く」という決して進んでやろうとはしないことだから。
だからギャラリストはアーティストの作品を抱えて稼げるわけだが(悪い言い方すれば、カモられるわけだが)、芸術関係の学校を卒業すれば誰もが成功するほど甘くはない世界。
そこには、「目に見えない能力と運と技術と思想」が掛け算されて生まれる「アーティスト本人の意志という作品」が物語るのではないだろうか。
今度そういった話を含む、個展やトークショーや講演をやる予定なので楽しみ。