天気がいい春の散歩が気持ち良い。
しかし、人の心は必ずしも『晴天』ではない。
●77才水彩画家の人生相談
連休、隣駅近くの大きな公園でイベントがあるらしく、見学がてら散歩に出かけた。
木々や花を眺めながら園内を歩いていると、水彩画を描いている白髪の女性を見かけた。
イベントを見たかった僕は、彼女が描いている風景画の感想を一言述べて、その場を去ろうとした。
「綺麗ですね」
すると、その女性は嬉しそうな笑みを浮かべた。
「油絵は重ね塗りができるけどね、水彩はそれができないの。なおせないとこが難しい。けど毎年コンクール出してるのよ」
若い頃からたしなんでいた油絵から水彩へ移行する難しさや、毎年恒例の展示について楽しそうに話してくれた。
そして絵の話題からなぜか突然、自分の息子について話し始めた。
重度の『飛蚊症』や『スラッシュ』という視界に閃光が飛ぶ現象が起きて、いきなり片目が見えなくなったとのこと。かなりヤバいらしい。
初対面にもかかわらず、ここまで深く話してくるのはただ事ではない。ましてや、ただの凡人に。
「例のアレかな」
そう感じた僕は彼女の隣に座って話を聞いた。
つづく……といいね
※今回もノンフィクションなのでプライバシーを守ってます
●今回の『知覚動考』
人といふ人の心に 一人づつ囚人がいて うめくかなしさ
by 石川啄木(詩人)
●追伸
テレビのロケ現場へ(^^)
新しい番組の出演なので楽しんで経験値上げてこよう。