こんにちは、芸術起業家の川名慶彦です。
最近はジジイ化してきたのか、盆栽美術館、盆栽展示会、盆栽園と全国各地を周る旅をしています。
盆栽と人間の原理は同じ理由
盆栽園とは、盆栽を専門的に生長・培養させる公園のような場所である。
ずらっと木の棚の上に多種多様な盆栽鉢が並べられていて、眺めているだけでもすごく学ぶことが多い。
盆栽の楽しみは3パターンに大きく分かれる。
1.種から苗まで生長させる
2.苗から一品素材まで生長させる
3.一品素材から完成形まで生長させる
僕は2からスタートして自由にオリジナルで植えたり楽しみながら培養させている。
なぜ『盆栽』=『老人の趣味』という認識が広まっているのか?
それを考えるとやはり、心が老成化するほど年齢を重ねた人こそが「植物も人も同じ」だと腑に落ちるからだろうと思う。
草や花や苔など植物全般から『四季』の流れを感じ、『生命』を学びとる。
『美』の感性を植物と対面することでその深い世界に没頭できる人こそ、ハマる。
実際、鉢も木も値段はピンきりだが高ければいいというわけではない。
完成形に近いほど、自分で『手入れ』する楽しみが少なくなるからだ。
・芽吹き、花を咲かせ、実をつける
・思い描いて、行動に移し、試行錯誤して夢をかなえる
植物も人間も同様、何かを成し遂げるまでの成長過程が一番『美』を感じる。
盆栽という特殊な業界
今回お会いした盆栽園主は、『芸術起業家』だ。
53才まで看板の制作会社で働くサラリーマンがいきなり脱サラして、独学で盆栽園を始めた。
「植え替えしてるだけで、楽しいよ!」
「死ぬまで盆栽やるわな、ハッハッハー!」
陽気にそう笑う白ヒゲの盆栽園主は64才になるようだ。
正直なところ、どんな分野にせよリスクを背負って信念を貫くこういう人が僕は大好きである。
しかしまさか、父親の年齢に近い他人と6時間ずっと盆栽について語り合うとは思いもしなかったが、僕の60代も盆栽と共に在るのだろうか。
僕は実家やカフェにある植物から、盆栽や山野草などの鉢を創るきっかけになった。
今では『水やり』するだけで楽しく学べる。笑
29才から独学でスタートした盆栽&山野草の鉢は、いつの間にか20数個になり、現在は近所の庭に並べられている。
いつか自分の可愛い盆栽をお披露目する機会があるかもしれない。
●今回の『知覚動考』
植物は成長するために根を必要とするが、人間の場合は逆である。
人間は成長している時にだけ、根をもち、世界に安住することができる。
by エリック・ホッファー(哲学者)
コメントを投稿するにはログインしてください。