こんにちは、川名慶彦です。
大理石の彫刻がついに完成して、『藝術時空館』に展示しました。
大昔から存在する便利な道具
「石と石をすり合わせて固形物を粉末にする」という『石臼』は昔からあった。
それは、「粉にすれば調理方法が増える」という利点があるかららしい。
確かに、米粒では食べられないが、粉にすれば何かに溶かしたり、鳥のえさなどにもできる。
木の実などのナッツ類も石臼でひけば粉状になる。
今では自家製粉で蕎麦を打つ蕎麦屋に置いてあるぐらいだが、昔は古民家に一台、石臼が置いてあったようだ。
彫刻制作57日目で蕎麦の実を挽く
コツコツ彫り進めていった『大理石』の彫刻がようやく完成した。
写真と動画で1本の制作過程動画をつくったのでご覧あれ。
天然の大理石と人工の大理石
建物のフロアなど、多くの場面で使われている大理石は『人工』のものがほとんどである。
それは当然、『天然』の大理石の方が貴重で高価だから。
多くの人はそれの見分けもつかないほど、人工大理石も綺麗に見える。
今回、彫刻で創った大理石石臼は、『天然』のものだと分かる地表面を残した。
それと、『大理石』といえば独特の模様を思い浮かべるが、彫刻には向かないことを彫っていて理解した。
模様の部分は粒子が粗いため、ノミで彫っているとそこが亀裂になり、予想外な割れ方をする。
なので、大理石彫刻に向く石は「粒子が細かい=模様がなく真っ白な大理石」ということになる。
巨匠・ミケランジェロが彫っていた『カラーラ』という大理石を使った彫刻だったので、精神的にも身体的にも非常にエネルギーを費やすアートだった。
その分、達成感は格別だった。
まとめ
石は人間よりも数倍、数百倍、生きる。
彫刻作品を残す芸術家は、己の思想をそれに注いできたのだろうか。
今はそう思えるようになったので、作品の寿命も考えて創作していきたい。