23才の時、ホームレスのようにブルーシートを敷いて路上で絵を描いていた、川名慶彦です。

 

資産になる絵画は投資の対象

 

「この新人画家はきっと将来、ビッグになるな……」

「今、これを買っておけば、年月が経ったら数倍になって返ってくるな……」

 

そう見極めた画商や経営者は、絵を単に絵と見ず、株などの『投資』の対象という扱いで購入していく。

 

絵画という有形的な創造物は物として残るため、言い換えれば車や不動産のように『資産』になるわけである。

 

それが『オークション』だったり、個人的にだったり、裏取引だったりで売買されていくアート業界。

(サラリーマンの時は知る由もなかったが)

 

 

絶対に売れない非売品の絵

 

当然ながら、アーティストは自分が納得できる作品を創り出そうとする。

 

そのため、駄作は見せないのが普通。

 

それは僕も同じで、無名時代にも多くの駄作を描いてきたわけだが、たまにこういう人に出くわす。

 

「まだ駆け出しの頃に描いた絵はない?」

「失敗だと思った絵はない?」

 

こういう質問をしてくる人は、「鋭いな」と思う。

 

たいてい、多くの人は「他人が見ても綺麗だと思うだろう絵」を欲しがる。

 

それは当然、部屋や玄関に置かれた絵がダサければ、その人のセンスもダサいと思われるから。

 

しかし、「まだ駆け出しの頃に描いた絵はない?」など言ってまで、無名時代に描いた初期作品を持っていく人ほど絵を『投資』対象として見ている。

 

 

経済効果のあるアーティストであるか否か

 

投資という対象商品となるか否かは、「売れているアーティスト」、または「売れるであろうアーティスト」がポイントになる。

 

ここでの「売れている」の定義は、テレビなどのマスメディアに出演したり、顔やネームバリューがあるアーティストであることで、「売れるであろう」の定義は、上記になる可能性の高いアーティストであることだと言える。

 

それは例えば『ダンサー』でも、『俳優』でも、『陶芸家』でも、同じこと。

 

一躍脚光を浴びるようになると、手のひらをひっくり返すように、批判が賞賛に変わる。

 

平凡な作品が、価値ある作品に変わる。

 

アーティストの卵が、羽ばたく鳥になる。

 

だから、彼らは学歴よりも、『芸歴』や『経歴』を重視してプロフィール文を創れるよう、必死に活動していくわけである。

 

なぜならば、1つでも多くの「キラリと光る実績」を残してるか否かが、アーティストの価値でもあるから。

 

しかし、それを創る努力をしても、世の中に認められるほどの成功をおさめるのは、たったの1%以下。99%は、夢敗れる。

 

それには先天的な才能も、運も、スキルも関係する。

 

血がにじむ努力をしてもしなくても、作品や芸歴で価値を判断される。

 

難易度の高いシビアな業界であって、職業の中でももっとも成功率が低い職業『アーティスト』。

 

だからこそ、面白い。やりがいが、ある。

 

 

まとめ

 

「多くはこれで失敗する。じゃあ、これをこうしてみたら、どうだろうか」

 

そう仮説と検証の繰り返しで、意識的に成果を生み出せた瞬間は、達成感という言葉では足りないくらいの達成感で満たされる。

 

アーティスト、冥利に尽きる。

 

 

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