独立者・経営者・事業者、つまり『起業家』は基本的に独力で道を切り開いていく。

 

切り開いていけるうちはいいのだが、つまづいたり業績が落ちたりすると相談したくなってくる。

 

独力で生きてきた時期が長い起業家を深く理解する友人や先輩方は少ないので、なかなか話す機会もなければ自力で解決しようとする人もいる。

 

どうにもならないほど地獄のどん底に落ちた時には、誰でも何でもいいから救いの手がほしくなるわけだ。

 

苦しんだ挙句、最後の綱として霊や占いに頼る経営者は多い。

結果、木札やカードなどの小道具や本を片手に、過去世やら占い事や目に見えない世界にフラフラと吸い寄せられる。

 

精神性が低い状態だからいとも簡単に、証拠も論理性もないことをすんなり受け止めてしまう。

 

自分に軸がない状態では何を言われても真に受けてしまうわけだ。

 

しかし、それもこれも自業自得。

「○才に死にますよ」

「○才に破産するでしょう」

「前世は○○でした」

様々なことを言うがはっきりいって、当たるも当たらないもどうでもいい。

つまるところ、「人生が望むとおりに変われるのか否か」。

本当に知りたいのはこのことだけ。

 

また、占う人で全然違うことを言うスピ系熟女占い師たちがもし本物ならば、的中させた顧客は人生が変わって悩みが消えて幸せ満開なはずである。

 

しかし、絶えず顧客が悩み相談にきたり占い系の本が毎年売れるのは、占い師に人生を変える力がなく、所詮は『悩み愚痴聞き役』となっているからにほかならない。

 

言われたことに一喜一憂してしまう感情型の女性脳も分からなくはないが、だから時間を持て余した20~60代女性がターゲットになるわけだ。

マーケティング的には、絶好の『カモ』だと言える。

逆に、左脳型の男性脳を持つ人は『カモ』になることはまずない。

 

世の中の『成功者』の9割がニセモノなように、『占い師』『霊能力者』の9割がニセモノ。

 

僕も彼らに会ったことがあるが結局、その場しのぎのビジネスであって、人生を変えてくれるほどの影響力は持ち合わせていない。(むしろ逆に彼らから相談されるが)

かといって、高級フトンや高級ツボだろうが、おみくじだろうが詐欺まがいだとしても、本気で人生が変わるのならば理屈抜きで手にしたいものだ。

地獄の釜の底まで落ちて生命を断つことすら考える人は、そう思ってしまう。

 

しかし、そんな魔法のようなものがあって悩みが一瞬で消えるのであれば、日本は『自殺大国』になってはいない。

 

だが、そんなアホみたいな上手い話に乗っかる人は、今も昔もいる。

 

それがただの趣味ならいいが、本気で人生を変えようとしている人が時間もお金も浪費してスピリチュアル詐欺にハマっても一向に幸福感など感じるわけがない。

 

自分はもちろん、友人でこういう人が近くにいると無意識で自分も染まり、生き方そのものが引っ張られる。

 

じゃあ、悩みや不幸を感じている人はどうすればいいのだろうか?

それは単に、現状を「真摯に受け入れる」ことだ。

 

二流なら二流なりに、凡人なら凡人なりに、本人の素質を活かした生き方をすべきである。(天才や超一流の人は、これを読むはずがないだろう)

 

というか、一人一人マッチした『本質』と『環境』と『教育』の三位一体を創っていくことが、遠回りなようで最短の近道であり、むしろこれしかない。

(学校でも家庭でもそれを誰も教えてくれないのが問題であり悩みの元凶になっていると思うが)

 

占いや霊能力などオカルトチックで論理性がないものに真理など眠っていない。

 

僕は法学・心理学・世界民俗学・教育学・天文学・文化人類学・生物学・理数学・画学などの莫大な量の本で部屋を埋め尽くし、片っ端から脳にインストールしていった。

 

(僕と同じことを独学でやりたい人は、総額500万円分の新書・古書を買い揃えてぜひ真似してみてほしい)

「人間とはなんぞや」「人生とはなんぞや」とシンプルかつ奥深いテーマを追求するために、ありとあらゆる学問を独学で習得しては、己を実験台にして仮説・検証を繰り返してきた。

(本に書かれてあることが100%正しいわけではないため)

 

そして10年の歳月をかけて習得してきた知識と無謀な挑戦から生まれた経験を結びつけ、腑に落とせたことで体系化できるようになった。

 

自分というタネに最適な環境を整え、最適なタイミングで養分を与えれば自ずと花は開く。

 

他人のタネが元気になり生長する『水やり』、不必要な情報を取り除く『雑草取り』、エネルギーに満ちた『光合成』をさせることができる農家的役割の人物。

 

世の中の1%もいないそういう人物こそが、「人生が望むとおりに変えられる影響力」があるのだと僕は確信している。

 

なぜなら前述のとおり、自分を実験台にしてタネを生長させて花を咲かせてきたからだ。

 

40代・50代・60代と、いくつになっても自由自在に花を咲かせ、自分の木も他人の木も眺めながら心静かにお茶を飲んでいたい。

 

人生を本気で好転させたい10~60代の人たちから人生相談される現在、そういう穏やかな老人でありたいとしみじみ願いながら明日を夢見ている。

 

 

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